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イスラエルのハイテク産業



 ●イスラエルの経済指標<1998年>
GDP US$97,400M
○ Business Sector US$64,600M
○ GDP Per Capita US$16,300.-
○ 輸入総額(Net) US$27,011M
○ 輸出総額(Net) US$21,180M
○ 資本収支 ▲ US$5,831M
○ 対外債務(Net) US$20,000M
○  総人口 5,961K人
○ 就労人口 2,078K人
○ 失業率 8.8%
○ インフレ率 8.6%
Source: Central Bureau of Statistics

 ●イスラエルの産業<基本的な構造>
○キブツによる農業振興から他関連産業への進出
○国策企業による基盤産業確立
     → IAI、IEC、ICL、IMI等
○防衛産業からの派生 民需転換
     → 情報通信、エレクトロニクス、ハイテク産業
○頭脳集約産業への傾注
     → R&D、コンピューターサイエンス、バイオテク
○輸出振興型産業(=加工貿易)
     → FTA(Free Trade Agreement)による輸出促進

 ●イスラエルの産業<軍需産業(1)>
実戦経験に基づいた実用的且つ最高レベル技術:
  • 航空機のアップデート(F-4ファントムを600ヶ所改良)
  • ミサイル(赤外線追尾: AAM、ミサイル迎撃ミサイル: ABM)
  • 各種アビオニクス(火器管制システム等)
  • UAV(Unmanned Aircraft Vehicle: 偵察用無人飛行機)
  • 戦車及び装甲システム(Reactive Armor)
  • 各種セキュリティーシステム(暗号システム等)

 ●イスラエルの産業<軍需産業(2)>
○防衛産業における有力企業:
  • IAI(Israel Aircraft Industry): 航空機、ミサイル、アビオニクス、UAV等
  • IMI(Israel Military Industry): 各種ミサイル、戦闘車両
  • ELBIT:各種アビオニクス、UAV、各種アップデート
  • RAFAEL
→ 各社とも民需転換に注力

 ●イスラエルのハイテク産業の特徴
ユニークな発想によるR&D技術に特徴
米国型の起業家精神旺盛
頭脳集約型産業に強み
  • 情報通信(光通信装置等の伝送装置、衛星通 信)
  • コンピューターサイエンス(インターネット関連ソフトウエア)
  • 医療診断システム(CT、MRI、Cell Scan他)
  • バイオテクノロジー(クロレラ、ベータカロティン)

旧CIS系よりの高学歴頭脳を活用
米国との密接な連携
政府による産業開発育成 (OCS)・外国企業の資本投資奨励

 ●OCS(Office of Chief Scientist)による開発助成
1984年に制定された「産業研究開発助成法」により貿易産業省傘下のOCSが研究開発を助成
基礎研究、新規開発、製品改良等各種プログラム、特殊地域での民生用開発、繋ぎ援助、FS援助等 11のプログラム有り
スタートアップ企業(開発資金の最高66%)のみならず大手企業(最高50%)も利用可能
返済は製品販売によるロイヤリティーにより行う(3%)
      → 開発失敗また企業化失敗の場合、返済猶予される

返済前には、外国企業へのライセンス供与は禁止
1991: 940件US$179M(回収額US$20M)
1995: 1,220件US$346M(回収額US$56M)

 ●外国企業に対する投資インセンティブ
1959年制定の資本投資奨励法が基礎となり、海外からの資本投資を助長
インセンティブの種類:
  • 投資額に対する直接助成金(産業投資:US$50M以下の場合12/24%、US$50M超の場合10/20%)
    → 米国インテル社の第二工場建設に際し約 6億ドルを助成(この時点では38%のインセンティブ)
  • 税金に対する優遇措置
    → 最大10年間
  • R & D に対する援助
(投資増大に伴い見直しの傾向)

 ●イスラエル版「シリコンバレー」
米国大手企業を中心に R&Dの拠点を設置
  • IBM(第3者からの受託開発にも取り組み)
  • INTEL(Pentium Processorの派生型を開発)
  • Digital Equipment(DEC)
  • Motorola
  • National Semiconductor
  • Microsoft(コンピューターソフトウエア)
  • K&S(Kulicke & Soffa:半導体製造装置)
  • Zoran(ASIC)

高度な技術者を比較的安価に確保することが可能


 ●米国におけるイスラエル企業の活躍
1998初頭時点で127社が米国証券市場に上場

NASDAQ
107社
NYSE
12社
AMEX
8社

カナダを除き、海外企業として最大の上場数を誇る
大半がハイテク企業


情報通信
21社
コンピューターソフト
21社
医療・診断(含む医薬品)
11社
エレクトロニクス(含む半導体)
36社
その他
38社


イスラエルのハイテク企業紹介



 ●Wizcom社 -Quicktionary-
Quicktionary(ペン型スキャナー付翻訳機)の開発・製造・販売
 活字の上をなぞると、単語の翻訳(英語→各国言語)が画面に表示される。
欧州(独・仏等)で15万セットの販売実績

米国ではSeiko Instrumentsが販売

優位性
 OCRアルゴリズム。容量はわずか14K。参)XEROX社OCRは4MB

OCR、スキャニング技術に関し特許取得済み
日本語版プロトタイプ完成済み
ビジネスマン・学生をターゲット

 ●Intergratix社 -Documentor-
ファイル管理ソフト(Knowledge Management Software)の開発
  写真、動画ファイルの管理に最適

Start-up企業
デジタルカメラ・パソコンへのバンドル販売を狙っている。US$100-600
 (個人向けLite製品から企業向けWork Group製品まで)

優位性
  • 強力な検索エンジン。
  • 開発キットで独自アプリケーション構築可能
    → 個人ユース(アルバム作成) ・企業ユース(不動産・法律事務所)
  • 各アプリケーションの壁を越えたファイル管理

 ●Smart Home Ltd. -Commaster II-
CTI( Computer Telephony Integration) 製品
パソコンを小型PBXとして使用
  写真、動画ファイルの管理に最適
Start-up企業
SOHOマーケットをターゲット
各国でのDistribution/メーカーへのOEMを狙う
優位性
  • コストパフォーマンス US$400 : 2 Lines/ 8 Extensions
  • パソコンのPBX化が可能.
    → これまでのCTI製品はPBXと連携が必要。
  • 主なCTI機能をサポート。Caller ID、Voice Mail

 ●Approach The Net -Approach The Net-
インターネットキオスクの開発・製造・販売
「街頭でネットサーフィン、メール確認が可能」
Start-up企業
製造はカナダ Coynet社
優位性
  • どこでもE-mailの受信、送信が可能。
  • 将来的にはVideo Conference, Internet Phoneも可能に。
  • タッチパネル、キーボー入力をサポート。誤操作防止機能によりシステム故障を防ぐ。

課金システムはコイン投入方式/Smart Card方式
米国・イスラエル(NetVision&Compaq)で実験開始


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